エンゲージメントと離職率に相関はある?エンゲージメント向上のコツも解説

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従業員の離職率を低くするためには、エンゲージメントの向上が大切です。本記事では、エンゲージメントと離職率の相関関係や、エンゲージメントを高める方法、離職率が高くなる要因などについて解説します。エンゲージメントと離職率の相関関係について、詳しく知りたい人は参考にしてください。

エンゲージメントとは

エンゲージメント(engagement)とは、ビジネスにおいて従業員の会社に対する愛着心や思い入れを指す言葉です。また、社内だけではく、会社と顧客の関係を表すこともあります。エンゲージメントは、そのほかにも「婚約」「誓約」「約束」「契約」などの意味がある言葉です。

ビジネスにおけるエンゲージメントの種類

ここでは、ビジネスにおけるエンゲージメントのうち、従業員にかかわるものを2つ解説します。

従業員エンゲージメント

従業員エンゲージメントとは、「会社に貢献したい」という従業員の自発的な意欲を指しています。従業員エンゲージメントの高い従業員は、モチベーションや自社への帰属意識が高い傾向です。また、職場環境や評価に満足している、仕事で十分な成長の機会がある、自社の方向性に共感している、などの特徴を持っています。

ワークエンゲージメント

ワークエンゲージメントは、従業員のメンタル面での健康度を示す概念を指しています。

ユトレヒト大学のシャウフェリ教授は、ワークエンゲージメントを下記のように定義しています。

・仕事に対してポジティブで充実した心理状態である

・活力、熱意、没頭の3点が満たされている

・持続的な状態であり、特定の対象や出来事などに向けられた一時的なものではない

離職率が高くなる要因

離職率が高くなる要因としては、主に以下の3つが考えられます。

・人事評価制度に不満がある

・残業が多い

・従業員のモチベーションが低い

各項目について、詳しく解説していきます。

人事評価制度に不満がある

人事評価制度に不満があると、離職率が高くなりやすい傾向です。評価するための基準が明確でないと、従業員は正しく評価されているのか判断しにくくなるためです。離職率を抑えるためには、人事評価制度を明文化したマニュアルを作成するとよいでしょう。また、マネジメント層向けに、正しく人事評価を行うための研修を実施するといった取り組みもおすすめです。

残業が多い

長時間労働が続いている状態や残業が多い状態も、離職率が高くなりやすいでしょう。従業員の業務量が増えていくと、心身の不調やストレスの原因となる恐れもあります。従業員が、仕事とプライベートのバランスを取りながら働ける環境を整えると、離職率の上昇を抑えられます。

従業員のモチベーションが低い

従業員が自分の仕事にやりがいを感じていないと、働くうえでのモチベーションは低くなります。モチベーションが低いと、離職を考え始める従業員も出てくるでしょう。従業員のモチベーションを高めるためには、企業理念やビジョンの浸透を図る、定期的に面談をするなどの取り組みが必要です。

エンゲージメントと離職率の相関関係

エンゲージメントと離職率の相関関係については、さまざまな会社や機関で調査されています。ここでは、CEB社と厚生労働省の調査報告を紹介します。

CEB社による調査

アメリカの経営・人事管理コンサルティング会社であるCEB社は「従業員エンゲージメントと離職率の関係性」についての報告を発表しています。報告によると、従業員エンゲージメントの低い従業員の1年以内の離職率は9.2%であるのに対し、従業員エンゲージメントが高い従業員の離職率は1.2%に留まっています。

この結果から、従業員エンゲージメントと離職率の間には、大きな相関関係が認められるでしょう。従業員エンゲージメントが高ければ高いほど、離職率は低くなり、会社への帰属意識が高くなります。

※参照元:Driving Performance and Retention Through Employee Engagement|Corporate Executive Board

厚生労働省による調査

厚生労働省の「働きやすい・働きがいのある職場づくりに関する調査報告書」では、「働きやすさ」と「働きがい」の関係性についてまとめています。報告によると、職場環境が「働きやすい」と答えた人のうち、「今の会社でずっと働き続けたい」と回答した人は63.4%でした。一方、「働きやすくない」と答えた人のうち、同様の回答をした人は5.2%でした。

職場環境が整っていれば整っているほど、従業員は現状に満足し、転職したいという思いが減ることが、この報告からは読み取れます。

※参照元:働きやすい・働きがいのある職場づくりに関する調査報告書|厚生労働省職業安定局 雇用開発部雇用開発企画課

エンゲージメントを高める方法

ここでは、エンゲージメントを高める方法を3つ紹介します。

・ビジョンを共有する

・社内の環境を整える

・社内コミュニケーションを促進する

ビジョンを共有する

エンゲージメントを高めるためには、従業員全体に会社が掲げているビジョンを共有することが重要です。会社のビジョンやミッションを従業員と共有すると、組織が1つの方向に向かっていきやすくなります。結果的に社内に一体感が生まれるため、エンゲージメントが向上するでしょう。

社内の環境を整える

社内環境の整備も、エンゲージメントを高める効果があります。例えば、従業員のワークライフバランスを推奨する制度を設けるといった方法が挙げられます。

従業員が自身の能力を最大限発揮して会社に貢献するためには、ワークライフバランスや健康状態が整っていることが重要です。社内環境を整える方法は、さまざまなものが考えられます。自社に合った方法を取り入れましょう。

社内コミュニケーションを促進する

社内コミュニケーションが促進されれば、エンゲージメント向上が期待できるでしょう。社内コミュニケーションを促進するためには、情報を共有し、従業員が積極的に話し合える環境作りが大切です。具体的な手法としては、1on1ミーティングを実施する、情報共有ツールを導入するなどの取り組みが挙げられます。

エンゲージメント向上にはエンゲージメントサーベイがおすすめ

エンゲージメント向上に向けた施策を打ちたいなら、エンゲージメントサーベイの実施がおすすめです。エンゲージメントサーベイとは、従業員のエンゲージメントを測定する取り組みです。エンゲージメントサーベイでは、従業員が会社や仕事に対してどれだけ「ポジティブな感情を持っているのか」を測定できます。

測定結果をもとに組織改善の施策を講じることで、さまざまなメリットが得られます。

エンゲージメントサーベイを実施する手順

エンゲージメントサーベイの実施手順は、下記のとおりです。

1.質問設計:エンゲージメントサーベイを行う目的を明確にしたうえで、目的を達成するために効果的な質問を考える

2.調査実施:適切な調査タイミングで、従業員に事前周知のうえ調査を実施する

3.分析:回答を集計し、結果を分析する

4.施策検討:分析結果をもとに、従業員エンゲージメントを高めるための施策を検討する

エンゲージメントサーベイの実施によって必要な施策が明確になるため、まずは現状を調査することから始めましょう。より正確な調査結果を得るためには、できるだけ具体的な質問を設定する、繁忙期を避けて調査を行うといった点にも注意が必要です。

まとめ

エンゲージメントと離職率には大きな相関関係があり、従業員エンゲージメントが高ければ、それだけ離職率は下がる傾向にあります。従業員の離職を防ぎたい場合には、エンゲージメントを高めるための取り組みを実施するとよいでしょう。

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この記事を監修した人

株式会社オンアド

株式会社オンアドは野村ホールディングス、千葉銀行、第四北越銀行、中国銀行の4社により設立された投資助言会社です。「すべての人が最善のアドバイスにより、理想の未来をかたちにする」というビジョンのもと、商品販売を一切行わず、アドバイスに特化した新しい金融サービスをオンライン完結でご提供します。

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