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生産性が向上するエンゲージメント施策とは?生産性との相関や具体的な施策を解説
エンゲージメント |
エンゲージメントが向上すると、離職率の低下や生産性向上など、さまざまなメリットが得られると言われています。この記事では、エンゲージメントと生産性の相関関係について解説します。また、具体的な取り組み方法についても解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
生産性とは
生産性とは、労働時間に対する成果や価値を指します。より少ない経営資源で、大きな成果・価値を出せるようになることが「生産性向上」といわれます。生産性向上には、職場環境の改善や業務プロセスの効率化、従業員の能力向上を意識した人材育成など様々な対策が必要です。
エンゲージメントとは
エンゲージメントとは、従業員の会社に対する「愛着」や「思い入れ」「忠誠心」を指す言葉です。エンゲージメントが高いということは、従業員がその会社で働くことを誇りに感じたり会社の方向性を正しく理解したりしているということであり、前向きに業務に取り組めている状態ということもできるでしょう。
エンゲージメントと似ている用語
エンゲージメントと似ている用語に、ワーク・エンゲージメントや従業員満足度などがあります。ワーク・エンゲージメントとは、仕事に対する持続的でポジティブな心理状態であり、会社ではなく仕事を対象としている点が、エンゲージメントとの違いです。
従業員満足度とは、仕事内容や労働環境にどのくらい満足しているかを測る指標であり、エンゲージメントのような会社との双方向的な関係性は含まれていません。
エンゲージメント向上で得られるメリット
ここでは、エンゲージメントを向上させることで得られるメリットについて解説します。
生産性の向上
従業員のエンゲージメントが高まると、生産性が向上するというメリットがあります。会社のビジョン・ミッションに共感し、エンゲージメントが高い従業員は、業務に対する自発的な努力や工夫が増えることが期待できます。時間当たりの成果=生産性の向上によって、最終的な業績の向上にもつながることが期待できます。
離職率の低下
エンゲージメントが高い従業員は、自身と会社との結びつきを大切に感じているため、離職率が低くなることもメリットの一つです。また、エンゲージメントの高い従業員が組織内にいることで、他の社員や組織全体に対しても良い影響を及ぼすことが期待でき、従業員が辞めにくい環境が強化されていくことにつながります。
採用力の強化
学生や求職者は、離職率が低い会社に対し、勤務環境の良い会社であるというイメージを持ちやすくなります。また、エンゲージメント向上に向けた具体的な取り組みや成果について対外的な発信を行うことで、企業のビジョンに共感した人材が採用しやすくなることもメリットです。
エンゲージメントと生産性の相関関係について
厚生労働省が実施した調査によれば、「働きがい」を示す「ワーク・エンゲイジメント」と個人の労働生産性の向上には、正の相関関係がうかがえることが分析されています。この傾向は企業全体の労働生産性においてもみられることから、エンゲージメントの向上と労働生産性の向上には正の相関関係があるといえるでしょう。
エンゲージメント施策が生産性向上につながる理由
エンゲージメント向上施策に取り組むことで生産性が向上するのは、いくつかの理由があります。ここでは、エンゲージメント施策が生産性向上につながる理由について解説します。
時代に合わない制度や風土からの脱却につながる
エンゲージメントを向上させるには、多様な事情や価値観を持つ従業員がいきいきと働ける環境・制度の整備が必要です。長時間労働の是正や年功序列の給与体系の見直し、生産性のない会議の廃止など、時代に合わない働き方や制度の見直しが代表的な取り組みです。環境や制度の見直しによってエンゲージメントが向上することで、生産性向上を目指すことが可能です。
トップダウン式からボトムアップ式の組織へ
上司の指示を待って行動するという従来型のトップダウンによる管理方式は、管理がしやすい反面、エンゲージメントの高い従業員が育ちにくいという弊害があります。生産性を高める目的でエンゲージメント向上施策を推進する企業では、従業員の意見を集めて業務に活かすスタイルであるボトムアップ式を採用することで、従業員の自発性を高めています。
従業員が成長を感じることができる職場環境
自分の成長が感じられないと、モチベーションやエンゲージメントは上がらなくなります。従業員の仕事に対して適切な評価やフィードバックを行い、成長ややりがいが感じられる職場環境を構築することも、エンゲージメント向上施策の1つです。公平で透明性の高い人事評価制度の導入やキャリア研修の実施、資格取得支援などの成長機会を提供することが効果的です。
生産性の向上に必要なエンゲージメント向上施策
ここからは、生産性を向上させるために、どのようにエンゲージメント向上施策を進めていくかを説明します。
課題の特定と解決
効果的な施策を検討するため、まずはエンゲージメント調査を実施し、従業員が会社に求めるものや現状への不満などを把握しましょう。調査によって生産性向上を妨げる原因を特定したら、解決に必要な施策を検討・実施します。施策の効果は短期間では得られない場合が多いため、効果をしっかりとチェックして定期的な改善に取り組むといった、PDCAサイクルを回すことが重要です。
会社のビジョンやミッションを共有する
経営陣が考える経営方針や事業の目的が不透明なままでは、従業員からの会社に対する信頼は得られません。従業員の自発性の発揮や生産性の向上を期待するのであれば、経営陣や管理職から、会社のもつビジョンやミッションを具体的に伝えていくことが大切です。一方的な発信とならないよう、ディスカッションや面談などを通じた共有の機会を設けることも重要です。
社内コミュニケーションの活性化
社内コミュニケーションの活性化は、エンゲージメント向上に効果的な施策の一つです。上司が部下に対して積極的に声を掛けることや、定期的な1on1ミーティングの実施など、活発なコミュニケーションが生まれる風通しのよい職場環境を整えましょう。コミュニケーションの活性化は、エンゲージメントの向上のみならず、業務プロセスの振り返りなどを通じた業務改善策の発見などにもつながります。
働く環境の整備
健康状態やワークライフバランスを整え、仕事に従事しやすい環境を構築しましょう。健康経営の導入や従業員のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方の提供、労働時間の適正化や福利厚生制度の見直しなどがエンゲージメントの向上に効果的です。
生産性向上につながる施策例
以下では、生産性向上につながるエンゲージメント向上施策の具体例を紹介します。
無駄な会議を削減
「無駄な会議が多い」「会議が長時間すぎる」「活発な議論が行われていない」といった不満は、多くの企業でみられる課題です。会議の目的や議題は事前に決めて参加者に共有する、開始や終了の時間を厳守する、参加メンバーの見直しなどによって会議の効率化をはかり、エンゲージメント向上を目指します。
目標と成果を可視化
従業員に対し、業務の目標と成果を可視化することも重要です。成果を可視化した上で、改善点の把握や新たな目標を設定するには、KPT法や「Fun Done Learn」といった、振り返りのフレームワークを使うことが効果的です。
KPT法は、Keep、Problem、Tryの頭文字をとった振り返りのフレームワークです。進行中のプロジェクトについて、うまくいっていることや生じている課題を分析し、課題解決に向けた対策を早期に見つけ出すための手法として活用されています。
また、Fun Done Learnもより手軽な振り返り手法として活用できます。プロジェクトを Fun(楽しかったこと) Done(終わったこと) Learn(学んだこと)の3つに整理して理解・共有することができ、コミュニケーションの活性化にも活用することが出来ます。KPT法と異なり、具体的なネクストアクションが定まりにくい点には留意が必要です。
ペーパーレス化・ICT活用
紙媒体を中心とした業務管理は、データ検索や保管に多大な労力がかかることが多く、エンゲージメント・生産性が下がる要因ともなります。ペーパーレス化、ICT活用といった電子化を推進することで業務効率化を図り、生産性向上につなげることが重要です。
研修制度の充実
エンゲージメント向上には、従業員の役割に応じた研修制度を充実させることも効果的です。管理職であれば、管理職研修を通じて「部下のコーチング」「傾聴」などのスキルを学ぶ必要があります。従業員については、キャリア研修やOJTの機会を充実させることで、成長を支援する体制を強化しましょう。従業員全体のキャリア意識向上によって自発的な行動が増加し、生産性にも良い影響を及ぼします。
エンゲージメント調査の実施方法
エンゲージメント・生産性を向上させるためには、従業員のエンゲージメント調査を行い、実態を把握することから始めることが大切です。ここでは、エンゲージメント調査の実施方法について解説します。
自社でのアンケート調査
従業員エンゲージメントを自社内で調査・測定するには、従業員に対して目的を周知したうえで、アンケート調査を実施する方法があります。アンケートによって従業員の考えや要望、組織課題を可視化することができ、生産性向上に向けた施策の検討に活用できます。
外部委託・ツール導入による調査
自社での調査が難しい場合は、専門業者への外部委託や測定ツールの導入も選択肢です。外部業者への委託やツールの利用には一定のコストがかかりますが、ノウハウを持った業者からの専門的なアドバイスや、正確なデータ集計を期待することができます。
まとめ
エンゲージメントを向上させることによって、従業員の自発性を強化し、生産性向上につなげることができます。効果的にエンゲージメントを向上させるためには、アンケート調査などによって従業員の要望や不満、組織課題を把握して改善策を講じると共に、会社のビジョンやミッションを共有するといった、会社と従業員との関係性の強化が必要です。また、従業員の健康状態やワークライフバランスを考慮した職場環境の構築、福利厚生制度の拡充などもエンゲージメント・生産性の向上に効果的です。
株式会社オンアドでは、従業員の「お金の悩み解決」を通じてエンゲージメント向上を支援する、「お金の福利厚生サービス」を提供しています。ご関心をお持ちの方はぜひ一度お問合せください。
この記事を監修した人

株式会社オンアド
株式会社オンアドは野村ホールディングス、千葉銀行、第四北越銀行、中国銀行の4社により設立された投資助言会社です。「すべての人が最善のアドバイスにより、理想の未来をかたちにする」というビジョンのもと、商品販売を一切行わず、アドバイスに特化した新しい金融サービスをオンライン完結でご提供します。

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