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従業員エンゲージメント向上を妨げる課題や要因とは?解決のための具体的な施策を解説
エンゲージメント |
従業員エンゲージメントの向上は、企業に離職率低下や生産性向上をもたらす重要な要素です。この記事では、エンゲージメント向上を妨げる課題や要因と、解決のための具体的施策を解説します。また、施策に効果が見られない場合の、チェックポイントについても解説するため、従業員エンゲージメント向上の参考にしてください。
目次
従業員エンゲージメントとは
従業員エンゲージメントとは、従業員の企業に対する信頼度を指します。近年、労働人口の減少や従業員の価値観の多様化により、従業員エンゲージメントの向上が注目されるようになりました。
従業員エンゲージメントの向上は、人材の流出防止やメンタルヘルスの改善、生産性の向上などにつながります。企業のミッションやビジョンが共感され、企業と従業員との強固な絆が築かれることで、貢献意欲の高い従業員の定着が期待できるでしょう。
従業員エンゲージメントの向上を妨げる課題や要因
従業員エンゲージメントの向上を妨げる主な課題や要因は、次の3つがあります。
・時代に即していない企業の体質
・トップダウン型のマネジメント
・従業員が達成感や成長を感じられない職場環境
順に解説します。
時代に即していない企業の体質
時代に合わない制度や風土が根付いていると、従業員のスキルアップや効率的な仕事への意欲が失われ、企業への愛着心低下につながります。例えば、固定された勤務時間や生産性の低い会議、長時間労働の強要、年功序列の給与体系などです。これらの要素が存在する環境では、従業員は自分の貢献が無意味だと感じ、エンゲージメントが低下する傾向にあります。
トップダウン型のマネジメント
トップダウン型のマネジメントとは、企業の上層部が意思決定をし、それに従って下部組織が動くスタイルです。この方式は、トップの能力や人望に依存するため、トップの影響力が企業の運営を大きく左右します。
トップダウン型の企業は、従業員からの自発的な提案が増えづらく、従業員のエンゲージメントが向上しづらい環境といえます。エンゲージメントが低く、指示待ちの従業員が増える可能性が高いでしょう。
従業員が達成感や成長を感じられない職場環境
自分の専門性を発揮できない職場では、従業員のモチベーションは低くなりがちです。仕事での達成感や成長を感じられない環境では、従業員のモチベーションが維持されず、エンゲージメントの向上も難しくなります。従業員が自身の専門性を高め、仕事にやりがいを感じるためには、適切な人員配置やスキルアップ研修などの施策が必要です。
従業員エンゲージメントを向上させるためのステップ
従業員エンゲージメントを向上させるためのステップは、次の4ステップです。
1.従業員エンゲージメントの定義づけをする
2.エンゲージメントサーベイで課題を見つけ出す
3.エンゲージメント向上施策を実行する
4.施策の効果測定と改善を行う
順に解説します。
1.従業員エンゲージメントの定義づけをする
はじめに、自社における従業員エンゲージメントの定義を設定します。定義づけがなければ、正確な効果を測れないためです。従業員エンゲージメントが高い状態についても、定義づけを行いましょう。例えば、従業員が組織の目標達成に積極的に貢献したいと考えている、自己成長やスキル向上に意欲的であるなど、できるだけ具体的に設定することがポイントです。
2.エンゲージメントサーベイで課題を見つけ出す
従業員エンゲージメントを向上させるためには、現状を把握した上で、課題を発見することが重要となります。この時に用いる調査方法が、エンゲージメントサーベイです。エンゲージメントサーベイにより、従業員の企業に対する信頼度を定量的に測定できます。組織の状態を可視化し、自社が抱えている課題を把握することが可能です。
3.エンゲージメント向上施策を実行する
エンゲージメントサーベイによって見えてきた課題を解消するために、具体的な施策を検討し、実行します。ここで注意したいのは、施策の効果は即座に現れるわけではない点です。企業の状況や施策の内容によっては、長期的な取り組みが必要な場合もあります。
4.施策の効果測定と改善を行う
エンゲージメント向上施策を実施したあとは、定期的に効果を測定し、施策の成果を評価します。エンゲージメントが改善されない場合は、適切な改善策を導入していくことが必要です。効果測定の方法や頻度は、施策の検討段階や実行中に決定しておくとよいでしょう。
エンゲージメントサーベイで課題を見つけ出す手順
エンゲージメントサーベイで課題を見つけ出す手順は、次のとおりです。
1.調査目的や内容を決める
2.従業員へのアンケート内容を決める
3.調査について従業員に周知する
4.調査を実施する
5.回答を集計し分析する
順に解説します。
1.調査目的や内容を決める
エンゲージメントサーベイは、組織の課題把握や施策改善のための重要な手段です。まずは「どのような目的で調査するのか」「誰を対象に調査するか」を明確にしましょう。
また、調査頻度や実施タイミングも慎重な決定が重要です。過度な回数の実施や、繁忙期の実施は従業員の負担になり、従業員エンゲージメントに悪影響を与える恐れもあります。適切な間隔で、組織の変化やニーズに即した調査を行うことにより、従業員の率直な意見が集められるでしょう。
2.従業員へのアンケート内容を決める
次に、従業員へのアンケート内容を決めます。アンケートの質問は、明確かつ具体的な内容にすることが重要です。人によって解釈が異なる設問になっていないか、十分に確認しましょう。設問の具体性が不足すると、回答の信頼性が低下し、課題の特定や解決が難しくなります。
3.調査について従業員に周知する
調査の前に従業員へ周知します。調査の目的を説明し、従業員の理解と協力を得ることが重要です。また、周知する際には、参加の重要性や課題解決に役立つことなど、従業員にもメリットがあることも伝えましょう。
4.調査を実施する
調査には、無料ツールの活用がおすすめです。オンラインアンケ―トフォームやスプレッドシートなどのツールを使い、アンケートを配布します。アンケートの回答率が低い場合はリマインダーを送り、回答漏れを防ぎましょう。また、人手を割けない場合や短期間で調査を進めたい場合、専門家の意見を仰ぎたい場合などは、外部の調査会社への委託を検討するのがよいでしょう。
5.回答を集計し分析する
回答を集計したら、従業員エンゲージメントの現状を詳細に分析します。設問ごとに回答傾向の相関や因果関係を把握し、良い変化や悪い変化の要因を洗い出しましょう。分析結果をもとに具体的な改善策を検討し、従業員の理解を得ながら施策を展開します。
エンゲージメントを向上させる施策例
ここでは、エンゲージメントを向上させる施策例を3つ紹介します。
・企業のビジョンを共有する
・社内コミュニケーションを促進する
・人事制度や職場環境を改善する
企業のビジョンを共有する
企業のビジョンを従業員と共有する施策は、一体感を生み出し、従業員エンゲージメントの向上につながります。具体的には、社内の勉強会や社内報を通じてビジョンを共有し、目的意識を一致させる方法があります。また、1on1ミーティングや定期的な研修を通じた、ビジョンを再確認する機会の提供も効果的です。
社内コミュニケーションを促進する
社内コミュニケーションの促進は、従業員エンゲージメント向上に不可欠です。従業員が気軽に自分の意見を発信できたり、悩みを相談したりできる社風の構築が、従業員エンゲージメント向上につながります。また情報共有ツールの導入や、社内イベントなどの交流を深める企画の実施で、コミュニケーションの円滑化を図りましょう。
人事制度や職場環境を改善する
業務に対して、公正で納得できる評価がされれば、従業員の仕事へのモチベーションは向上します。また、働きやすい環境の整備も重要です。具体的には、残業時間や業務負担を適切に管理する、ストレスチェックの実施などが挙げられます。
エンゲージメントが向上しない場合のチェックポイント
エンゲージメントが向上しない場合、次の5つのチェックポイントを確認してみましょう。
・目的の明確さや効果の認識不足
・部門や、立場による意識の違い
・従業員のサーベイ疲れ
・評価に対する不満
・将来に対する不安
もし問題が見つかれば、適切な改善案を検討します。また、エンゲージメントの測定が適切かどうかの見直しも必要です。
まとめ
従業員エンゲージメントの向上には、妨げとなる要因の特定や、課題解にむけた取り組みが大切です。エンゲージメントサーベイを正しい順番で適切に進めることで、課題解決につながるでしょう。取り組みが従業員エンゲージメントの向上に結びつかない場合は、チェックポイントを再確認し見直す必要があります。
さらに従業員エンゲージメントを向上させたい場合は、従業員のファイナンシャル・ウェルネス向上を支援することも検討してみましょう。オンアドは、従業員のお金の悩み解決を通じた、エンゲージメント向上を支援する「お金の福利厚生サービス」を提供しています。ご関心をお持ちの方は、ぜひお問合せください。