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エンゲージメントと業績に相関はある?|業績アップにつなげる3つのステップや施策を紹介
エンゲージメント |
エンゲージメントの向上は、企業の業績アップにつながると考えられています。では、なぜエンゲージメントが向上すると、業績がアップするのでしょうか。
本記事では、エンゲージメントと業績アップの関係性について、研究機関による調査結果を紹介しながら解説します。エンゲージメントを高める方法も紹介するため、ぜひ参考にしてください。
目次
エンゲージメントとは
「エンゲージメント」という言葉には複数の意味がありますが、ビジネスシーンでは主に「相互の深いつながり」といった意味合いで使用されます。基本的に、ビジネスシーンでエンゲージメントという言葉が使用される際は、従業員エンゲージメントと顧客エンゲージメントの2種類について、語られることが多いでしょう。
従業員エンゲージメント
従業員エンゲージメントとは、企業と従業員とのつながりの深さを示す言葉です。従業員は企業に対する貢献意欲を持って働き、企業は従業員の貢献に報いるために待遇や福利厚生などを改善するという好循環のなかで、互いの信頼関係を深めていきます。従業員エンゲージメントを高めることで、企業が得られるメリットは、離職率の低下や生産性の向上など、多岐に渡ります。
顧客エンゲージメント
顧客エンゲージメントとは、企業と顧客とのつながりを表すものです。顧客エンゲージメントが高い状態では、両者の間で親密な関係性が構築されているため、顧客が製品の購入やサービスの継続利用などの、アクションを起こしやすくなります。そのため、顧客エンゲージメントを高めることは、企業において必要不可欠な取り組みといえるでしょう。
従業員エンゲージメントと業績の相関
株式会社リンクアンドモチベーションと慶應義塾大学の共同研究によると、従業員エンゲージメントの向上は、業績にプラスの影響をもたらすことが分かっています。
※参照:「エンゲージメントと企業業績」に関する研究結果を公開|株式会社リンクアンドモチベーション
また、厚生労働省の調査では、ワークエンゲージメントが向上するにしたがって、労働生産性も向上することが示唆されています。ワークエンゲージメントとは、仕事に対するポジティブな意欲のことです。
※参照:令和元年版 労働経済の分析―人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について―
従業員エンゲージメントが向上すると、結果としてワークエンゲージメントも高まると考えられるため、従業員エンゲージメントの向上は労働生産性、ひいては企業業績の向上に良い影響を与えるといえるでしょう。
従業員エンゲージメントを業績アップにつなげる3つのステップ
ここでは、従業員エンゲージメントの向上が業績アップにつながる過程を、3つのステップで解説します。
ステップ1.従業員エンゲージメントを高める
従業員のエンゲージメントを高めるための施策を実施することで、従業員の企業に対する貢献意欲の向上を図ることが可能です。職場環境の改善や評価制度の見直し、福利厚生の拡充等に取り組むことで、従業員エンゲージメントが高まり、「企業が成長するために自分は何ができるか」という主体的な行動を促すことができるでしょう。
ステップ2.顧客エンゲージメントを高める
従業員のエンゲージメントが高まると、主体的な行動が促され、生産性も高まります。企業への「貢献意欲」が高まると、顧客に対してより良い商品やサービスを届けるために、自ら積極的に工夫するようになり、顧客により高い付加価値を提供することが可能になります。その結果、サービスや製品に対する顧客満足度が高まり、顧客エンゲージメントの向上につながります。
ステップ3.業績に反映されているか確認する
顧客エンゲージメントが高まると、顧客の購買行動が変化し、売上の向上といった変化が見られるようになります。従業員エンゲージメントや顧客エンゲージメントの向上によって、売上にきちんとプラスの影響がもたらされているかも、定量的に確認しましょう。売上が上がった分を従業員に利益を還元したり、採用・広報活動の費用にあてたりすることで、さらなる好循環が生まれます。
日本のビジネスパーソンはエンゲージメントが低い?
日本のビジネスパーソンは、諸外国に比べてエンゲージメントが低いとされることがあります。背景には、日本企業で多くみられるメンバーシップ雇用があると考えられるでしょう。長らく終身雇用が前提とされていたことで、従業員のエンゲージメント向上に取り組むという考えが、浸透していないことも理由の1つと考えらえます。
また、日本のビジネスパーソンは、組織に対する帰属意識は高いものの、自ら主体的に行動しようとする人は少ない傾向があります。そのため、ボトムアップの提案が行われる風土が乏しく、受け身の姿勢で仕事をする人が多いことも、原因の1つといえるでしょう。
従業員エンゲージメントを調べる方法
エンゲージメントと業績アップをつなげる道筋は、「従業員エンゲージメントの向上」からスタートします。自社の業績をアップさせたいなら、まずは従業員エンゲージメントを向上させる取り組みが効果的です。
従業員エンゲージメントを向上させるためには、現状把握が欠かせません。従業員エンゲージメントを調査する方法には、自社で実施する方法と、外部に依頼する方法の2パターンがあります。いずれにしても、いくつかの設問で構成されたアンケートを実施し、従業員の回答からエンゲージメントを測定する方法が一般的です。
調査会社やツールは多種多様であるため、自社に適したものを選択しましょう。また、調査は1回で終わらせるのではなく、定期的に実施することも重要です。
従業員エンゲージメントを高める5つの施策
ここでは、従業員エンゲージメントを高める5つの施策を紹介します。
1.組織のビジョンを共有する
従業員エンゲージメントを高めるためには、企業が掲げているビジョンを共有し、従業員の理解と共感を深めることが大切です。企業としての目標を共有することで、従業員はビジョンの実現に向けた行動を、自然にとれるようになります。逆に、企業が抱えているビジョンが明確化されていない場合、足並みを揃えることが難しくなる可能性があるでしょう。
2.キャリアアップを支援する
従業員が望むキャリアプランに理解を示し、適切なサポートをすると、企業と従業員の絆を深めることができます。具体的には、キャリア研修やOJT研修を実施したり、資格取得の費用を補助したりするなどの施策が有効です。
3.社内のコミュニケーションを促す
社内のコミュニケーションが活性化されると、人間関係が良好になります。すると、従業員が職場に愛着を持てるようになり、エンゲージメントの向上にもつながるでしょう。
具体的な施策としては、コミュニケーションツールの導入や社内イベントの実施などが考えられます。また、定期的に面談を実施しましょう。従業員が上司や同僚とのコミュニケーションに悩んでいる場合は、適切にフォローすることも大切です。同じ部署やチーム内はもちろんのこと、部署の垣根を越えたコミュニケーションを活性化できると、尚良いでしょう。
4.従業員の成果や成長を適正に評価する
自分の仕事が適正に評価されると、誰しも「がんばろう」という気持ちになれるものです。「企業や上司が自分のがんばりを認めてくれている」という実感が持てれば、組織への貢献意欲は自然に高まっていくでしょう。
従業員エンゲージメントを高めるためには、人事制度の見直しも含め、従業員の努力が正しく評価される環境をつくることが大切です。また、評価に対するフィードバックの機会を定期的に設けるとよいでしょう。
5.ワークライフバランスを意識する
近年は働き方改革の意識が高まり、仕事とプライベートの両立を重視する人も少なくありません。労働時間や業務量のコントロールを通じて、ワークライフバランスの適正化に取り組み、従業員が働きやすい環境を構築しましょう。
従業員エンゲージメント向上を業績アップにつなげた事例
最後に、従業員エンゲージメントの向上施策により、業績アップを達成した企業の事例を紹介します。
スターバックスコーヒージャパン株式会社
全国で、コーヒーショップを展開するスターバックスコーヒージャパン株式会社では、店舗で働くスタッフを「パートナー」と呼び、企業と従業員は対等な関係にあるとしてエンゲージメントを重視しています。
具体的な施策としては、スターバックスが目指すビジョンを共有するとともに、個人の目標設定のサポートを実施しました。さらに、定期面談も含めたフィードバックを実施することにより、スタッフのエンゲージメント向上に取り組んでいます。エンゲージメント向上も含めた、さまざまな施策を行った結果、2023年10月期には売上高と営業利益が過去最高を記録しました。
佐竹食品株式会社
関西を中心に、スーパーマーケットを展開する佐竹食品株式会社は、株式会社リンクアンドモチベーションが実施する「ベストモチベーションカンパニーアワード」において、3年連続1位を獲得して殿堂入りを果たした企業です。
「日本一楽しいスーパー」という目標を掲げ、社長自ら粘り強く理念を共有するとともに、売上以外の目標を掲げたり社内向け動画を配信したりと、さまざまな取り組みを実施してきました。その結果、2020年3月期の売上高は650億円で、過去最高を更新しています。
まとめ
従業員エンゲージメントが向上すると顧客エンゲージメントが高まり、売上にもプラスの影響をもたらすと考えられます。ビジョンの共有や社内コミュニケーションの促進などの施策によって、従業員のエンゲージメントを向上させ、業績アップにつなげていきましょう。
また、近年は従業員の「ファイナンシャル・ウェルネス」の実現にも注目が集まっています。従業員の金銭的不安を解消することで、安心して長く働いてもらえるようになり、エンゲージメントの向上にもつながるでしょう。
ファイナンシャル・ウェルネスの向上に取り組むなら、株式会社オンアドにご相談ください。オンアドは従業員の「お金の悩み解決」を通じてエンゲージメントの向上を支援する「お金の福利厚生サービス」を提供しています。ご関心のある方は、お気軽にお問合せください。
この記事を監修した人

株式会社オンアド
株式会社オンアドは野村ホールディングス、千葉銀行、第四北越銀行、中国銀行の4社により設立された投資助言会社です。「すべての人が最善のアドバイスにより、理想の未来をかたちにする」というビジョンのもと、商品販売を一切行わず、アドバイスに特化した新しい金融サービスをオンライン完結でご提供します。

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