エンゲージメントとロイヤリティの違いを解説|高めるメリットや方法も紹介

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エンゲージメントとロイヤリティは、どちらも企業と従業員の相互関係を表現する言葉です。この記事では、エンゲージメントとロイヤリティの意味や違いにフォーカスして解説します。 また、従業員のエンゲージメントやロイヤリティを高め、組織全体のパフォーマンス向上につなげるヒントも合わせて解説するため、ぜひ参考にしてください。

従業員エンゲージメントとは

従業員エンゲージメントとは、企業に対する従業員の信頼度です。具体的には、企業理念や経営方針への理解や共感をベースとした、職場への帰属意識や企業成長への貢献意欲を示す言葉です。

従業員ロイヤリティとは

従業員ロイヤリティとは、企業への忠誠心を指し、愛社精神を育む重要な要素です。従業員ロイヤリティは、心理的ロイヤリティと行動ロイヤリティに分けられます。心理的ロイヤリティは、愛着や信頼を含み、行動ロイヤリティは、貢献意欲や業務への積極性です。

エンゲージメントとロイヤリティの違い

エンゲージメントとロイヤリティの違いは、企業と従業員の関係性で説明することができます。

エンゲージメントは企業と従業員を対等の立場で扱い、相互関係を重視する概念である一方、ロイヤリティは、企業に対する従業員の忠誠心という主従の関係があり、企業が上位に位置することが特徴です。企業はこの違いを理解したうえで、自社にとって必要な施策を検討する必要があります。

従業員エンゲージメントやロイヤリティを高めるメリット

従業員エンゲージメントやロイヤリティを高めるメリットは大きく次の5つが挙げられます。

・人材が定着し離職率が低下する。

・従業員のモチベーションが高まり生産性が向上する。

・顧客満足度の向上につながる。

・リファラル採用をしやすくなる。

・企業イメージが向上する。

人材が定着し離職率が低下する

従業員エンゲージメントが高まると、離職率の低下が期待できます。企業や仲間との信頼関係や愛着が形成されていれば、従業員にとっても働きやすい環境となるため、「この会社で働き続けたい」という気持ちの高まりが期待できるでしょう。

離職率が低下すれば、採用にかかる手間やコストの削減だけでなく、ノウハウの蓄積や生産性の向上も期待できるため企業にとって大きなメリットです。

従業員のモチベーションが高まり生産性が向上する

エンゲージメントの向上は、従業員のモチベーション向上にもつながります。企業理念や経営方針に対する理解・共感度が高まることで、企業成長に対する貢献意欲も高まるでしょう。モチベーションの高い従業員が増えれば組織に活気が生まれ、生産性向上・業績向上につながることも期待できるでしょう。

顧客満足度の向上につながる

エンゲージメントやロイヤリティの高まりは、製品の品質や顧客対応の向上にも反映されます。ロイヤリティが向上することで仕事に対する向き合い方が忠実になったり、エンゲージメント向上によって自社サービスへの愛着が高まったりすることで、顧客に提供する商品やサービスの品質の向上が期待できます。企業の信頼性や価値が顧客に伝わりやすくなり、結果的に顧客満足度の向上につながります。

リファラル採用をしやすくなる

エンゲージメントやロイヤリティの向上により、リファラル採用の拡大が期待できます。リファラル採用とは、従業員が知人を紹介して採用するスタイルです。

従業員は、企業理念への共感やや貢献意欲をベースとして、自社の成長につながる知人を企業に紹介できます。これにより、企業にとっては優秀な人材確保がミスマッチなくスムーズに進み、採用コストの効果的な削減につながるでしょう。

企業イメージが向上する

従業員の定着率が高いことや、顧客満足度が高いことが対外的に認知されれば、外部からも「良い企業」としての評価を受け、企業イメージが向上します。企業イメージの向上は売上の増加や採用活動にもプラスの影響を及ぼすでしょう。

従業員エンゲージメントやロイヤリティが重要視される背景

従業員エンゲージメントやロイヤリティが重要視される背景として、大きく次の3つが挙げられます。

・人材の流動化

・労働人口の減少

・リモートワークの普及

人材の流動化

日本では、これまでの伝統的な雇用制度からの転換や働き方改革の影響で人材の流動化が進んでおり、企業は採用難に直面しています。この現状から、企業と人材のマッチングによる定着率向上が重要視されるようになりました。近年、社外への人材流出を抑える手法として、従業員のエンゲージメント向上が注目されるようになっています。

労働人口の減少

厚生労働省の発表によると、2020年以降、日本の総人口が減少しています。2070年には総人口が9,000万人を下回り、高齢化率は全体の4割近くになる予想です。労働人口の減少に直面する現在、人口減少に対処するため、外国人労働者の雇用拡大も進められています。企業は人材不足への備えとして、従業員エンゲージメントの向上による定着率向上や、ロイヤリティを高めることによる生産性の向上に注力する必要がでてきています。

参照:我が国の人口について|厚生労働省

リモートワークの普及

新型コロナウイルス感染症の影響でテレワークが急速に普及し、社内コミュニケーションの希薄化が課題になっています。従業員の対人関係の希薄化を防ぎ、モチベーションを維持するために、従業員ロイヤリティやエンゲージメントが注目されるようになりました。在宅業務による対人関係の減少を補うため、従業員との結びつきを重視し、チーム協力や共感を促進する取り組みが企業に求められています。

従業員のエンゲージメントやロイヤリティを高める方法

従業員のエンゲージメントやロイヤリティを高める方法は下記の7つが挙げられます。

・従業員同士の意見交換や情報共有の方法を工夫する。

・社内イベントを企画する。

・企業理念や経営方針を全社的に共有する。

・透明性の高い公平な人事評価を実施する。

・福利厚生やキャリアアップの制度を拡充する。

・多様な働き方に対応する。

・メンタルヘルス対策の実施。

従業員同士の意見交換や情報共有の方法を工夫する

社内SNSやオンライン会議、ニュースレターを積極的に活用し、従業員同士のコミュニケーションや情報共有を促進します。社員同士の結びつきを強化することで、エンゲージメントの向上が期待できるでしょう。

社内イベントを企画する

従業員のつながりを深め、エンゲージメント向上を図るためには、社内イベントの企画も有効です。スポーツ大会や地域貢献活動、従業員の誕生日祝いや家族参加型のイベントなどを定期的に開催し、従業員の結束を高めましょう。これにより、チームの協力関係や仕事への愛着が増し、働きやすい環境が整います。

企業理念や経営方針を全社的に共有する

企業理念や経営方針を従業員に浸透させることも効果的な施策です。トップダウンの発信に留まることなく、従業員の業務内容との重なりなどを丁寧に説明し、共感を得ることが重要です。会社の方針と自身の業務の重なりが感じられるようになることで、エンゲージメントやロイヤリティの向上が期待できます。

透明性の高い公平な人事評価を実施する

人事評価制度の見直しも重要です。最終的な業績だけでなく、仕事の過程や業績に直結しない取り組みについても評価できる制度が必要になるでしょう。適切な評価は従業員モチベーションを保つ重要な要素です。従業員の様々な頑張りが正当に評価される評価体制を構築することで、企業に対する信頼感を高めることが可能です。

福利厚生やキャリアアップの制度を拡充する

従業員の満足度向上を目指し、福利厚生制度の拡大を進めましょう。また、キャリアアップ支援では、資格取得費の補助やキャリアに応じた研修制度を導入することで、個々の成長をサポートしましょう。

公私にわたる様々な支援を提供することで、従業員エンゲージメントの向上につなげることが出来るでしょう。

多様な働き方に対応する

従業員のエンゲージメント向上には、フレックスタイムやリモートワークなど柔軟な働き方がポイントになります。有給休暇や産育休の取得についても、従業員が気兼ねなく利用できるよう、上司自ら積極的に取得するなどして風土を整えましょう。ワークライフバランスの整った職場環境を提供することで、企業に対するイメージや貢献意欲を高めることができるでしょう。

メンタルヘルス対策の実施

メンタルヘルス対策は、モチベーションや生産性に影響します。定期的なストレスチェックや相談窓口の設置で、従業員の不調を察知し、改善できる環境作りが大切です。また、各種ハラスメントへの対応策を強化するなど、メンタルの不調を未然に防ぐ環境を用意することで、従業員のモチベーション向上につなげることができるでしょう。

エンゲージメントサーベイによる課題の洗い出しが重要

従業員エンゲージメントやロイヤリティ向上には、エンゲージメントサーベイによる現状把握が欠かせません。報酬や福利厚生、労働環境、人間関係といった要素に関する不満や組織課題を洗い出し、適切な対策を講じることが重要です。中長期的な取り組みとしてPDCAをまわしながら改善策に取り組むことで、離職率の低下や優秀な人材の確保につなげることができるでしょう。

まとめ

エンゲージメントとロイヤリティの概要と違いや、向上の方法・メリットを解説しました。エンゲージメントやロイヤリティの向上には、従業員の声を反映させた改善が大切です。エンゲージメントサーベイや従業員満足度調査等を通じて、把握した課題に対する適切な対策を実施することが、組織全体の健全な成長につながるでしょう。 エンゲージメントの向上には、資産形成支援といった経済面でのサポートも効果的です。オンアドでは「従業員のお金の悩み解決」を通じてエンゲージメント向上を支援する「お金の福利厚生サービス」を提供しています。金融教育動画コンテンツやウェブセミナー、資産管理アプリや従業員向け個別相談サービスなど、企業と従業員のニーズに応じた様々なサービスを提供しています。ご関心をお持ちの方は、是非お問合せください。


この記事を監修した人

株式会社オンアド

株式会社オンアドは野村ホールディングス、千葉銀行、第四北越銀行、中国銀行の4社により設立された投資助言会社です。「すべての人が最善のアドバイスにより、理想の未来をかたちにする」というビジョンのもと、商品販売を一切行わず、アドバイスに特化した新しい金融サービスをオンライン完結でご提供します。

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