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人事が押さえておくべきエンゲージメントの基礎知識を解説！打つべき施策を紹介

近年、従業員エンゲージメントの向上に向けた施策に取り組む企業が増えています。従業員のエンゲージメントに関する基礎知識は、人事領域で働く方にとって大切です。この記事では、エンゲージメント向上のメリットや、エンゲージメント向上のために人事が打てる施策を解説します。人事領域に携わっている方は参考にしてください。

人事領域におけるエンゲージメントとは

エンゲージメントという言葉自体には、「約束」「契約」という意味があります。人事領域におけるエンゲージメントとは、従業員の会社に対する愛着心を指す言葉として使われます。さらに深く掘り下げると、エンゲージメントには「会社と従業員が信頼し合い、互いに貢献し合う」という意味があります。

従業員満足度や帰属意識との違い

エンゲージメントと似た言葉に、「従業員満足度」や「帰属意識」があります。従業員満足度とは、従業員が待遇や環境、報酬に対して、どれだけ満足しているかを示す指標のことです。帰属意識とは、組織について自分がその一員であるという意識・感覚のことを指します。

人事が押さえておくべきエンゲージメントの構成要素

エンゲージメントは、従業員が持つ下記3つの要素によって成り立っています。

・理解度：会社の理念やビジョンをどれだけ理解しているか

・共感度：会社や仲間に対する共感や愛着の気持ちを持っているか

・行動意欲：会社の成功にむけて主体的に動こうとしているか

それぞれの要素が強いほど、従業員のエンゲージメントは高い状態であるといえます。

エンゲージメントが注目される背景

それでは、一体なぜ近年エンゲージメントが注目されているのでしょうか。ここでは、エンゲージメントが注目される背景について解説します。

労働人口の減少

エンゲージメントが注目される背景として、労働人口の減少が挙げられます。少子高齢化を背景に、労働人口は減少し続けています。企業の持続的成長のため、多くの会社が人材の獲得・定着に悩んでいるのが現状です。そこで、従業員の流出を抑え、個人のもつ能力を最大限発揮してもらう、エンゲージメント向上の効果に注目が高まっています。

人材の流動化

エンゲージメントが注目される背景として、人材の流動化も挙げられます。人材の流動化が加速している理由は、終身雇用制度の崩壊や、成果主義への注目により、より良い待遇や環境を求める動きが活発化しているためです。優秀な従業員にできるだけ長く働き続けてもらうために、エンゲージメントをいかに高めるかが重要視されています。

人事におけるエンゲージメント向上のメリット

ここでは、人事におけるエンゲージメント向上のメリットについて解説します。

組織が活性化する

組織の活性化は、人事におけるエンゲージメント向上メリットの1つです。エンゲージメントが高い状態が持続されれば、従業員の仕事に対する積極性や熱意が増加します。熱意が増すと、職場の問題を自ら解決する、積極的に意見を出すなど組織を巻き込んだ動きが見られるようになるでしょう。こういった従業員が増えれば、組織全体が活性化していきます。

従業員のモチベーションが高まる

従業員のモチベーションが高まる点も、人事におけるメリットのひとつです。エンゲージメントが高まるにつれて、従業員は自分の仕事と、会社の業績や顧客満足度とのつながりが感じられるようになります。仕事へのやりがいを見出すことで、モチベーションの向上が期待できるでしょう。また、モチベーションの維持・上昇は、離職率の低下にもつながります。

従業員の精神的な健康状態が良くなる

人事におけるエンゲージメント向上のメリットには、従業員の精神的な健康状態が良くなるという点もあります。エンゲージメントが高くなると、従業員の精神的な健康状態にも良い影響を与えます。バーンアウト（燃え尽き症候群）や、過度なストレスによる体調不良などの予防につながるでしょう。

エンゲージメント向上のために人事が打てる施策

エンゲージメント向上のために人事が行える施策には、一体どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、エンゲージメント向上のために人事が打てる施策を紹介します。

自社の実態を把握する

エンゲージメント向上に向けた施策を打つためには、まず自社の実態を把握しましょう。効果的な施策を検討する第一歩として、アンケートやヒアリングによって、従業員の考えや感情を引き出す取り組みを実施するとよいでしょう。得られた回答から組織の課題を洗い出し、目指すべき状態の定義を進めていきます。

労働環境を整備する

労働環境の整備も、エンゲージメント向上に向けて打つべき施策の1つです。従業員が健康で文化的な生活を送れていると、従業員エンゲージメントは高くなります。そのため、ワークライフバランスの取れた働き方を推進するとよいでしょう。従業員が仕事のために健康やプライベート、家族との時間が犠牲にならないような環境を整えることが重要です。

管理職を教育する

エンゲージメントの向上には、管理職の教育も不可欠です。従業員のエンゲージメントを高めるためには、マネジメント層の理解と、積極的な関与が重要となります。部下へのフィードバックやフォロー、モチベーション喚起、能力の見極めといったノウハウが管理職には求められます。

管理職を教育するための具体的な施策は、下記のようなものがあります。

・管理職育成プログラムを整備する

・管理者向けの研修を実施する

・管理者の成長のため、ポジションを入れ替える

人事評価制度を見直す

人事評価制度の見直しも重要な取り組みの一つです。従業員が自身の評価に納得できないと、働き続けるモチベーションが保ちづらくなります。そのため、公正で透明性の高い人事評価制度を構築する取り組みが必要です。従業員が企業から適切な評価を受けていると感じられれば、エンゲージメントは上昇します。

成長できる環境を用意する

従業員が成長できる環境を用意することも、エンゲージメント向上に役立ちます。仕事を通じて、自身の成長やスキルアップが実感できることが重要です。具体的な取り組みとしては、メンター制度の導入やキャリア研修の実施、資格取得のサポートなどが挙げられます。学んだ内容を従業員間で共有すれば、コミュニケーションの活性化にもつながるでしょう。

エンゲージメントの測定指標

エンゲージメントを測るための指標は、下記の3点が挙げられます。

・エンゲージメント総合指標：従業員が会社に抱く総合的な印象を示す指標

・ワークエンゲージメント指標：仕事に対する熱意や没頭力を示す指標

・エンゲージメントドライバー指標：従業員エンゲージメントに影響を与える主な要因を示す指標

エンゲージメントドライバー指標に含まれる要因は、組織ドライバー（会社と従業員の状態）、職務ドライバー（職務と従業員の状態）、個人ドライバー（従業員個人の状態）の3点です。

施策の効果を測定する方法

ここでは、施策の効果を測定する方法について解説します。

パルスサーベイを実施する

エンゲージメントを高めるための施策を打ったら、効果を計るためにパルスサーベイ（アンケート）を実施しましょう。パルスサーベイを実施するにあたって、従業員がスムーズに回答できるような配慮や質問文の作成が重要です。パルスサーベイは、週次や月次などの高頻度で実施するのがよいとされています。

エンゲージメントサーベイを実施する

パルスサーベイとあわせて、より設問数が多いエンゲージメントサーベイを実施しましょう。エンゲージメントサーベイは、仕事への意欲や組織へのコミット・愛着などを図る総合的な調査のことです。パルスサーベイよりも、従業員の状態をより深く測れます。中長期的な変化を確認するため、エンゲージメントサーベイは、半年～1年に1回の頻度で実施することがおすすめです。